婦人科がん検診について
婦人科で扱う主ながんは子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんで、いずれも自覚症状が出にくいため、検診を行わないと早期に発見できするのはむずかしいといわれています。定期的に検診を受けることが重要です。
当院では、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんの検診を、一部公費負担(小金井市・国分寺市)、保険診療、自費診療で行っております。
婦人科がん検診の料金
保険適用 / 一部公費負担
検査名 | 料金(3割負担) |
子宮頸がん検診 | 1,100円 |
子宮体がん検診 | 2,090円 |
子宮頸がん検診 (小金井市公費補助)※1 | 1,000円 |
子宮頸がん検診 (国分寺市公費補助)※2 | 無料 |
子宮頸がん+体がん検診 (国分寺市公費補助)※3 | 無料 |
※1 補助は2年に1回で、対象は20歳以上に小金井市民。
補助には小金井市から届く受診表が必要です。免除申請該当者は無料。
※2 補助は2年に1回で、対象は20歳以上に国分寺市民。
補助には国分寺市から届く受診表が必要です。
※3 医師が必要と判断した場合
自費
検査名 | 料金(税込) |
子宮頸がん検診 | 4,000円 |
子宮体がん検診 | 7,600円 |
子宮頸がんについて
子宮頸がんは、子宮頸部(子宮の入り口)にできるがんです。原因として、性交渉で感染するヒトパピローマウィルス(HPV)との関連が指摘されており、若年者(30~40代)に多いがんです。子宮頸がんは、自覚症状が乏しいですが、がんになる前に異形成といい細胞の形が変形する時期がありますので、検診で早期にみつけやすいがんといえます。
子宮頸がんの症状
子宮頸がんは自覚症状に乏しいがんです。進行により不正性器出血、性交時出血などで気づくことがあります。
子宮頸がん検診
子宮の入口の細胞をブラシでこすり細胞を採取し、細胞をベセスダ分類で結果を出します(細胞診)。痛みはほとんどありません。
ベセスダ分類 | 推定される病理診断 | 取扱い |
NILM | 正常 | 異常なし |
ASU-US | 軽度異形成 | HPV陽性であれば軽度異常の可能性 |
LSIL | 軽度異常の可能性 | |
ASU-H | 中等度/高度異形成 | 高度異常の可能性 |
HSIL | ||
SCC他 | がん | 子宮頸がんの可能性 |
ベセスダ分類でNILM以外の所見の場合は、精密検査としてコルポスコープ検査と組織診を行います。膣からコルポスコープ(膣拡大鏡)で、子宮頸部を詳しく観察し、異常のある部位から組織を採取します。細胞診より深い部位から組織(1mm四方)を採取するため、痛みを感じます。
子宮頸がんの治療
がんの進行状況、挙児の希望の有無などを勘案し、手術、放射線療法、化学療法を組み合わせて治療を行っていきます。当院では、子宮頸がんの治療は行っていないため、適切な高次医療機関をご紹介いたします。
子宮体がんについて
子宮体がんは子宮体部にできるがんで、子宮の内側の子宮内膜から発生します。40〜60歳代の閉経前後で好発します。
子宮体がんには、エストロゲンの刺激が原因となり発症するタイプと、エストロゲンと関係なく発症するタイプがあります。
エストロゲンの刺激が関係するタイプの子宮体がんは、肥満、妊娠・出産経験のない方、多嚢胞性卵巣症候群の方、更年期障害の治療でエストロゲン製剤のみを長期投与している方、乳がんのホルモン療法を受けている方がリスクファクターです。
一方、エストロゲンと関係なく発症する子宮体がんは比較的高齢者に多く、高血圧、糖尿病、血縁者に乳がん、大腸がん、子宮体がんの方がいる方に多いとされています。
子宮体がんの症状
子宮体がんで最も多い症状は不正出血です。特に閉経後に出血があった場合は要注意です。進行すると、下腹部の痛みなどが現れてきます。
子宮体がん検診
子宮の内部まで細い管状の器具を挿入し、内面をこするようにして細胞を採取(子宮内膜細胞診)します。子宮内膜細胞診で異常な細胞が確認された場合は精密検査(子宮内膜の組織を器具で採取)をします。
子宮体がんの治療
子宮体がんの主な治療法は手術です。手術で病変を取りきれないと判断された場合は、放射線療法や抗がん剤を用いた化学療法を併用します。当院では、子宮体がんの治療は行っていないため、適切な高次医療機関をご紹介いたします。
卵巣がんについて
卵巣は、左右1つずつ、合計2つある小さな臓器で、子宮につながる卵管の近くにあります。卵巣がんは卵巣に発生するがんで、症状が出にくいのが特徴です。
卵巣がんの症状
通常、早期にはほとんど自覚症状はありません。
進行すると、腹痛、下腹部のしこり、腹部膨満感、食欲不振、頻尿、便秘などの症状が現れます。
卵巣がん検査
経腟超音波で骨盤内にある卵巣を調べます。卵巣腫瘍を認めた場合には、血液検査にて腫瘍マーカー、MRI、CT検査を行います。
卵巣がんの治療
卵巣がんの治療は原則的に手術を行います。